マッサージ療法

力学的な作用を生体に与え、皮膚、皮下組織、筋組織、神経系、循環器系、免疫系に
対する効果を目的として用いられています。

マッサージ療法について

マッサージ療法とは、力学的方法で生体に作用する物理療法をいい、機械的刺激療法とも言われています。 一般に現在行われている療法では、徒手、ローラー、水圧、空圧の4種類の方法があります。

生理学的作用

皮膚及び皮下組織に対する効果

皮膚を介しての触・圧刺激は、皮膚及び皮下組織に分布する毛細血管に対して活動的に作用し血管を拡張させ、 皮膚の代謝を盛んにし、皮膚温を高めます。

筋組織に対する効果

局所の循環改善がなされ、筋緊張の改善と筋組織における正常な代謝を促進することができます。

神経系に対する効果

用いる手技などの強度と時間によりその効果は異なりますが、 強く長い場合は、抑制的・鎮静的に作用します。逆に、穏やかな刺激を短時間行った場合は、促進的・興奮的に作用します。

循環器系に対する効果

末梢血管に対して拡張性に作用することから局所も全身も循環機能の改善がなされます。 マッサージは当該部位の末梢から中枢に向けて施され、特に静脈系及びリンパ系の還流を改善し、 静脈系の浮腫やリンパ浮腫等に対して効果があります。

免疫系に対する効果

適度な機械刺激は、すべての生体機能を活性化させ、また、免疫系の活性も高めます。

水圧式マッサージ

ラバーマットの下から噴き上げる水流で全身をマッサージします。 刺激の素材に「水」を利用しているため、柔らかくそして力強い刺激感と水に浮いたような感覚を得られるのが特徴です。 水を浸した層から吹き上げるウォーターベッド方式と直接吹き上げるダイレクトジェット方式の2種類があります。

水圧式とローラー式を比較した場合、ローラー式では、高齢の患者さんや、患者さんの体系によっては、 刺激が堅すぎて逆効果になってしまう恐れがあります。その点、水圧式マッサージでは、「水」には形がないので、 優しくマッサージすることができます。

水圧マッサージ療法器

水圧マッサージ療法器


ローラー式マッサージ

昭和38年頃、手技によるマッサージをヒントに開発され、また、ほぼ同時期にアメリカのターナー社スパイナレータが日本に輸入されたのが始まりです。 業務用では、ローラー移動式、ローラー固定式、回転ローラー移動式の3方式、及びこれらの複合式が用いられています。
ローラー式マッサージには、体液循環効果(=ポンピング効果)や、牽引効果があるとされています。

ローラー式マッサージ

ローラー式マッサージ


空圧マッサージ

カフに加圧、除圧を繰り返すことにより、筋運動(収縮、弛緩)と同じような作用起こさせ、血行促進、疲労回復、筋肉の疲れ、こりをほぐすマッサージ効果や、 乳ガン手術後の上肢の浮腫、子宮ガンの手術に伴う原発性のリンパ浮腫や、下肢の続発性浮腫、外傷、骨折に合併する四肢の浮腫を改善させます。 その他冷え、痺れ感等の諸症状を軽減することができます。

最高加圧力は、人体の静脈圧力(80~90mHg)以下に設定する必要があります。 これ以上の圧力をかけると(特に遠心性の)血流を阻害する恐れがあるため注意しなくてはなりません。

空圧マッサージ

空圧マッサージ


DVT(Deep Venous Thrombosis : 深部静脈血栓症)の予防と空圧マッサージ

下肢静脈の心臓への還流は、下肢の筋肉ポンプ活動により行われます。しかし、手術などで長時間下肢の筋活動がなくなると、 下肢静脈に血栓が起こりやすくなり、いわゆるDVTが発症することがあります。肥満体系、糖尿病、高脂血症などの患者さんは要注意です。
発症後、安静時を過ぎ、急に下肢の筋活動が始まると、その血栓が還流され肺に運ばれ、肺動脈がつまり死に至ることがあります。

これは、エコノミークラス症候群にもみられる肺塞栓症と呼ばれています。 DVTの予防には、手術中や術後すぐから、DVT予防専用の空圧マッサージ器を用いて、下肢静脈の血流還流を促進し、血栓を起こさないようにする必要があります。 禁忌事項として、DVT予防用マッサージ器は、DVTを起こしている症状の方には、肺塞栓を起こす可能性があるため使用してはいけません。