NECグリーンロケッツ東葛 選手の皆様
1985年に創部され、日本選手権3度の優勝やマイクロソフトカップ優勝という輝かしい実績と歴史を持つラグビーチーム、NECグリーンロケッツ。
2021年には千葉県東葛エリアをホームタウンとし、チーム理念、チームスローガン、エンブレムを刷新しました。
チーム名も「NECグリーンロケッツ東葛」に改称し、これまで築き上げてきた歴史を継承しながらさらなる飛躍を遂げようとしています。「Always above!(常に上昇せよ!)」のスローガンのもと、日々挑戦と前進を続ける選手達には、プロフェッショナルなケアが必要不可欠です。
この度は、NECグリーンロケッツ東葛メディカルスタッフチームの下農ヘッドメディカル、仲達トレーナー、小川トレーナーにお話を伺いました。
左:下農 裕久ヘッドメディカル、中:小川 未央トレーナー、右:仲達 陽貴トレーナー
メディカルスタッフとして第一線でご活躍されているお三方に、トレーナーを志したきっかけについて伺いました。
下農ヘッド:高校時代はラグビーに打ち込んでいて、怪我をした時は近所のスポーツクリニックにお世話になっていました。そこでアスレチックリハビリテーションの指導を受け、世の中にはスポーツ選手をサポートする仕事があるということを知り、トレーナーという職業を意識し始めました。
また、著名な鍼灸師兼トレーナーである白石宏先生の特集番組を偶然拝見した際、その高度な技術力でスポーツ選手を治療していく様子に感銘を受けたこともきっかけの一つです。競技については、昔からラグビーが好きだったので、もしトレーナーをやるならラグビーがいいなと当時から考えていましたね。
仲達トレーナー:高校時代はバスケットボールに打ち込んでいて、プレイヤーとしてはそれ以上続けるつもりはなかったものの、将来は何かスポーツに関わる仕事に就きたいなと考えていました。大学時代、友人の紹介でトレーナーの短期インターンに参加する機会があり、そこから本格的にトレーナーを目指すようになりました。競技は特にこれとは決めていませんでしたが、インターン先も就職先も偶々ラグビーチームだったので、縁を感じています。
小川トレーナー:トレーナーを目指そうと決めたのは、体育大学に在籍していた頃でした。当時はテーピング技術の授業など、トレーナーの仕事に関係する科目にとても興味があったということもあり、「これだ!」と思い立ってすぐに先生に相談しに行きました。私は、どちらかというと直感タイプなので。(笑)先生からトレーナーになる為に必要な資格などについて色々教えていただき、試験を受けてプロトレーナーになりました。
若手からベテランまで幅広い年齢層の選手が所属するNECグリーンロケッツ東葛。わずかな変化も見逃さない、細やかなケアが求められます。
下農ヘッド:1日のスケジュールとしては、S&Cコーチとのミーティング後、テーピング、選手の状態チェックなど各種手法で選手の練習準備をサポートすることから始まります。午前中の練習が終わった後はすぐに昼食を食べ、午後の練習準備に備えます。夕方には午後の練習・トレーニングが終了するので、治療やチェックが必要な選手の対応をしていきます。それらが終わったら、メディカルルームを清掃、片付けて、メディカルルームで全員の状況を確認・共有するメディカルミーティングを行います。その後、全スタッフ宛のメディカルレポートを作成・送付し、翌日の準備をして帰宅するという感じです。
トレーニングルーム
選手の不調やいつもと違う様子を把握したら、その選手に対して必ず「何かをする」ように心がけています。「何か」というのは選手によって違うので、ベテランだから、あるいは若手だからと区別してしまうのではなく、基本的には「その選手に必要なことをする」というスタンスですね。それが「一声かける」だけの小さなアクションの時もありますが、とても重要なことだと思っています。もちろん、私一人だけで全てを把握するということは出来ないので、メディカルスタッフ3名やインターン、S&Cコーチの皆さんとの日頃からの連携が不可欠だと感じています。
お三方の、仕事に対するスタンスについても伺いました。
下農ヘッド:選手たちに対しては、彼らの納得のいく形で選手生活を送ってほしいと思っています。彼らをサポートしたいという気持ちは常に持っていますが、どちらかというと、結構割り切って仕事をするタイプかもしれません。
自分でも淡々としていると思いますが、だからといって無理に「やる気を出さなければいけない!」とは思わないですね。好きだからこの仕事をしていることは間違いないですし、あまり熱くなりすぎず、冷静に仕事に取り組むことができるというのも、時に強みになると思っています。
仲達トレーナー:「この仕事に就きたい」「スポーツに関わっていきたい」と決意してこの世界に入ってきているので、「無理矢理にでもモチベーションを高めて頑張らないと!」とはあまり思わないですね。仕方なくこの仕事を選んだわけではなく、楽しい部分も大変な部分も知った上で、好きだからこの仕事に就いている、というスタンスです。
小川トレーナー:私は、結構自分でモチベーションを高めることがあるかも。(笑)でも、この仕事が好きだという気持ちを原動力に日々仕事に取り組んでいるので、基本的にモチベーションは勝手に上がっていくことが多いですね。
三者三様のご回答でしたが、お三方とも「この仕事が好き」という点が共通していらっしゃるのが非常に印象的でした。
メディカルルーム
ギハマット・ジバサキ選手
NECグリーンロケッツ東葛では、SSP複合治療器アステオや、超音波治療器/超音波骨折治療器ウルトラソン等を導入していただいています。弊社の治療器をどのようにご活用いただいているのかについて伺いました。
小川トレーナー:私はリハビリを担当しているので、怪我の治癒促進や疼痛除去の目的で使用することが多いです。日本メディックスさんの電気治療器は、除痛の効果が高く、治療とコンディショニングのどちらにも適していて使いやすいなと感じています。
下農ヘッド:アステオのSSPは除痛効果が高く、急性期対応でも非常に力を発揮してくれるので、慢性の関節炎や急性炎症などにも使用しています。HVやMFと併用することで、筋タイトネスの改善にも効果を感じています。超音波治療器のウルトラソンについては、温熱効果が優れていると思いますね。選手達もよく好んで使用しています。日本メディックス製の治療器は使い方がシンプルなので、選手が使用方法をすぐに覚えて、自分達で使うこともあります。我々が直接治療できる人数は限られているので、治療器のおかげで選手のセルフケアのクオリティが上がっているのは良いことですね。
運動療法に入る前の体の環境作りにも、治療器を活用しています。運動療法は選手達のケアをする上で必要不可欠ですが、筋肉が緊張して張っていたりすると、トレーナー側がさせたい動作を上手くできず、リハビリの効率が下がってしまうことがあります。そのような場合は、運動療法に取り掛かる前に治療器を使って入念に筋を緩めて、痛みや違和感なく正しい動作を行える状態にすることで、スムーズに治療を行うことができます。電気治療器や超音波治療器は、リハビリを効率的に行う上で非常に役立っていますね。弊社治療器を様々なシーンでご活用いただけているとのこと、メーカーとして大変光栄に存じます。今後も改良を重ね、ご満足いただける製品の開発に尽力して参ります。
最後に、メディカルスタッフチームへの思いについて、下農ヘッドメディカルにお話しいただきました。
下農ヘッド:メディカルスタッフも、勝利に挑戦・貢献する気持ちを持つことが重要だと考えています。試合に出られる選手の人数は決まっていますが、彼らがその競争に対して常に挑戦することができるマインドと身体をキープしていけるよう、しっかりと支えていくのが、我々の仕事です。グリーンロケッツのメディカルスタッフチームは、「多様性」があるのがとてもいいところだと思います。全員が「チームの勝利」という同じ目標を共有しながらも、各々が自分の意見をしっかりと持っていて、その人にしかできないことがある。
メディカルスタッフチームは、「組織として非常に良い状態にある」と語る下農ヘッドメディカル。NECグリーンロケッツ東葛の更なる躍進への期待が高まります。