リハビリテーション医療についてご紹介いたします。
リハビリテーション医療の基本は変わりませんが、診療報酬における体系が変わったように、リハビリテーション医療の役割も幅広いものへと変化しています。
例えば、『運動器』とは骨、関節、筋肉、神経など身体を動かす器官ですが、高齢社会に達した今日、『健康寿命』の延伸には『運動器』が健康であることの重要性が注目されており、WHO(世界保健機構)でも、2000~2010年を、『運動器の10年/The Bone and Joint Decade』として、骨・関節疾患の予防と治療対策の世界的取り組みを展開しています。
運動器リハビリテーションは、運動器疾患・障害の治療のみならず、生活習慣病予防、介護予防等の、予防的側面での役割も大きく期待されています。
平成18年度診療報酬改定において、これまでの理学療法、作業療法及び言語聴覚療法が再編され、新たに疾病や障害の特性に応じた、4つの疾患別リハビリテーションが新設されました。
リハビリテーション医療については、『基本的動作能力の回復等を目的とする「理学療法」や、応用的動作能力、社会的適応能力の回復等を目的とした「作業療法」、言語聴覚能力の回復等を目的とした「言語聴覚療法」等の治療法より構成され、いずれも実用的な日常生活における諸活動の実現を目的として行われる』とされ、4つの疾患別リハビリテーションの主な対象疾患と目的は以下のとおりです。
急性心筋梗塞、狭心症、開心術後、大血管術後
慢性心不全で左心駆出率40%以下、冠動脈バイパス術後 等
心機能の回復、当該疾患の再発予防等を図るために、心肺機能の評価による適切な運動処方に基づき運動療法等を個々の症例に応じて行う。関係学会により周知されている「心疾患における運動療法に関するガイドライン」に基づいて実施する。
脳血管疾患、脳外傷、脳腫瘍、神経筋疾患、脊髄損傷、高次脳機能障害 等
基本的動作能力の回復等を通して、実用的な日常生活における諸活動の自立を図るために、種々の運動療法、実用歩行訓練、日常生活活動訓練、物理療法等を組み合わせて個々の症例に応じて行う。言語聴覚機能に障害を持つ患者に対して言語機能若しくは聴覚機能に係る訓練を行う。
上・下肢の複合損傷、上・下肢の外傷・骨折の手術後
四肢の切断・義肢、熱傷瘢痕による関節拘縮 等
基本的動作能力の回復等を通して、実用的な日常生活における諸活動の自立を図るために、種々の運動療法、実用歩行訓練、日常生活活動訓練、物理療法、応用的動作能力、社会的適応能力の回復等を目的とした作業療法等を組み合わせて個々の症例に応じて行う。
肺炎・無気肺、開胸手術後、肺梗塞、慢性閉塞性肺疾患であって重症後分類Ⅱ以上の状態の患者 等
呼吸訓練や種々の運動療法等を組み合わせて個々の症例に応じて行う。
リハビリテーション医療においては、理学療法(運動療法、物理療法)、作業療法、言語聴覚療法、ADL訓練、補装具の適用等、様々な治療法、訓練等々を組み合わせ行われていますが、ここでは理学療法用商品とその中で用いられる測定・評価用の主な商品をご紹介します。
WCPT(世界理学療法連盟)では、『理学療法は、運動療法、指導、温熱・水・光線・マッサージ・電気による身体治療の科学であり、治療目的は、疼痛の緩解、循環の改善、障害の予防と軽減、筋力と協調性の最大限の回復をはかることにある。また運動療法には、単なる基本的関節運動の他に、身体の移動、歩行能力獲得訓練も含まれ、これらの治療のため、種々の検査・測定も理学療法士により行われる』としています。
理学療法は、運動的手段(運動療法)、物理的手段(物理療法)を用いて、身体の基本動作能力の維持・回復を図るための治療科学であり、医療における臨床的意思決定の根拠が、経験則によるものから、『根拠に基づく医療evidence-based medicine(EBM)』へと変化しているように、理学療法においても同様の体系化が促進されています。
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